マンガアラビアと日本の作品。事業の概要と権利確認のポイント

SRMGの公式発表で確認できる事業内容と、日本のコンテンツを展開する際の確認事項を紹介します。

サウジアラビア企業のオフィスを訪問し、執務席のそばで説明を受ける視察参加者たち。
DOORS OPEN写真:提供資料。
目次

Manga Arabiaは、サウジの大手メディアグループSRMGが2021年に立ち上げたマンガ事業です。日本の作品をアラビア語で届けるとともに、アラブの作家による作品も育てています。

講談社や集英社との連携、紙の雑誌と無料アプリの展開は、現地の読者に届く経路を持つ事業であることを示しています。

日本企業には出版のほか、商品化、イベント、施設内の体験企画などの接点も考えられます。ただし、それぞれの利用権は出版権とは別に交渉が必要です。

公式発表から分かる事業内容

Manga ArabiaにはKidsとYouthの展開があり、紙とデジタルの両方で読者に作品を届けています。SRMGの2021年の発表では、講談社・集英社との提携に加え、『進撃の巨人』『ハイキュー!!』『約束のネバーランド』などの作品が紹介されました。

日本作品の翻訳だけを扱う会社ではありません。アラブの文化や物語を題材にしたオリジナル作品も制作し、地域のクリエイターと読者を育てる役割があります。

作品を持つ側から見ると、翻訳者を探すのとは違い、編集、配信、販売促進までを含めた事業パートナーとして検討する相手です。

テーブルを囲んだ参加者が、画面を使った説明に耳を傾ける訪問風景。
テーブルを囲んだ参加者が、画面を使った説明に耳を傾ける訪問風景。写真:提供資料。

翻訳と翻案を区別する

アラビア語化では、固有名詞や台詞の翻訳だけでなく、文字の収まり、読み順、効果音、年齢区分、宗教・文化に関わる表現まで編集上の検討が必要です。

原作のどこまで変更を認めるか、誰が最終確認するかを契約と制作工程に入れます。日本側の承認に毎回時間がかかるなら、刊行・配信の予定もそれを織り込まなければなりません。

「日本で人気だから現地でも同じ売り方でよい」ではなく、現地の読者が作品を知る媒体と、購入・利用する場面まで考えて展開します。

コンテンツの展開前に整理する権利

契約では、アラビア語への翻訳権、紙の出版、電子配信、商品化、イベントでの利用を分けて決めます。サウジ国内だけか、他のアラビア語圏も対象か。独占か非独占か。契約期間と最低保証、ロイヤルティーの計算・報告も重要です。

出版の許可を得たからといって、そのキャラクターを商品や施設で自由に使えるわけではありません。展示、広告、SNS、映像、グッズなど、計画している利用が権利範囲に含まれるかを詰めます。

原作者・出版社・ライセンス管理会社のどこがどの権利を持つのかも確認し、許諾する権限のある相手と契約します。

ガンダムの立像を前に並ぶ二人。日本のポップカルチャーに触れる一場面。
ガンダムの立像を前に並ぶ二人。日本のポップカルチャーに触れる一場面。写真:提供資料。

制作と配信の責任を決める

Manga Arabiaは、2022年にマレーシアのKadokawa Gempak Starzと、アラビア語のオリジナル作品をマレー語・中国語で展開する合意も発表しています。日本作品を中東へ運ぶだけでなく、中東発の作品を他地域へ展開する動きです。

共同制作を考えるなら、日本側が担う企画・作画・編集と、現地側が担う文化監修・翻訳・配信を分けます。成果物の権利、続編、映像化や商品化の権限まで決めておくと、作品が広がった後の交渉もしやすくなります。

作品のファンに、何を届けるか

ファンがいることと、事業として利益が出ることは同じではありません。無料で読める作品への人気が、書籍、グッズ、有料イベントの購入にどれだけつながるかを調べます。

イベントなら来場者数だけでなく、客単価、商品販売、スポンサー収入、権利料と運営費まで検討します。物販なら輸入・在庫・配送・返品を誰が担うかで利益が変わります。

HIKARIでは、現地向けの企画とマーケティング、イベント運営の準備を支援します。扱いたい作品や商品がある場合は、保有する権利と希望する展開をお知らせください。

日本のコンテンツを現地に紹介したい方へ

作品や商品の内容、希望する展開先、出版・配信・物販などの方法をお知らせください。現地の候補企業との面談や、提携に向けた準備をご相談いただけます。

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Sources & Notes

本記事は、記載した参照日時点で公開されていた情報にもとづく一般的な情報提供です。 制度、統計、事業環境は変わります。法務・税務・投資に関する判断にあたっては、 必ず有資格の専門家にご確認ください。

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