日本・サウジ・ビジョン2030は、エネルギーの外側へ広がっている

2017年に策定された二国間の協力枠組みから2026年時点の動きまでをみて、日本企業にとっての接点を整理します。

2017年3月13日、東京での日・サウジアラビア首脳会談。サルマン国王と安倍晋三首相(当時)。
2017年3月13日、東京での日・サウジアラビア首脳会談。サルマン国王と安倍晋三首相(当時)。内閣官房内閣広報室(首相官邸) / 写真出典 / CC BY 4.0
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日本とサウジの協力は、原油やプラントだけの話ではなくなっています。2025年9月の「日本・サウジ・ビジョン2030」閣僚会合では、AI・自動運転、宇宙、万博、eスポーツなども取り上げられました。

日本企業にとっての接点は、技術の輸出、現地での事業展開、コンテンツのライセンス、イベント運営などさまざまです。

政府間の協力や企業間の覚書は商談の入口です。受注につなげるには、相手の事業計画に合う提案と、現地で実行できる体制が必要になります。

二国間の枠組み

日本・サウジ・ビジョン2030(Saudi-Japan Vision 2030)は、2017年に策定された二国間の協力枠組みです。同年3月13日の東京での首脳会談では、両首脳がその策定を歓迎し、実現に向けて協力を進めることで一致しました。

サウジの国家計画Vision 2030に、日本の企業や技術がどの分野で協力できるかを示しています。自社に近い分野を知り、担当機関や関連事業を調べる際の参考になります。

協力領域は広がっている

2025年9月22日の第8回閣僚会合では、大阪・関西万博の経験を2030年リヤド万博に生かす協力、AIを活用した自動運転、宇宙分野などが議論されました。同時期の企業間の合意には、TIER IVとElm、セガとサウジeスポーツ連盟の連携も含まれます。

いずれも「日本企業に関心がある」という抽象論ではなく、相手企業とテーマが見える例です。自社に近い分野なら、どの会社が事業主体で、何を自社で持ち、何を外部に求めているのかまで調べる価値があります。

なお、覚書の締結は売上や事業の完成を意味しません。発表段階、契約段階、実施段階を分けて追います。

東京駅丸の内口の広場。銀杏の黄葉と行き交う人。
東京駅丸の内口の広場。銀杏の黄葉と行き交う人。Tatsuo Nakamura / 写真出典 / Pexels License

政府間の協力を、どう自社の商談につなげるか

日本・サウジ・ビジョン2030は、日本企業がどの分野で協力できるかを調べる手掛かりになります。担当機関や関連事業が分かれば、JETROなどの商談会・募集情報から、具体的な提案先を探せます。

ただ、日本企業というだけで受注できるわけではありません。現地企業や他国の企業と同じように、価格、品質、納期、現地で対応できる体制を比較されます。

自社が持つ技術と、相手の計画で不足しているものを結びつけて説明することが大切です。「日本の技術を紹介したい」から一歩進め、誰の、どの仕事を、どの条件で担えるかを提案します。

エネルギーの外側で起きていること

コンテンツでは、東映アニメーションが2024年に発表したQiddiyaのドラゴンボール・テーマパーク計画が象徴的です。発表では50万㎡超の敷地、7つのエリア、30以上のアトラクションが示されました。これは計画の発表であり、開業済みの施設として紹介しているわけではありません。

出版では、SRMGのManga Arabiaが日本作品のアラビア語展開と、アラブのオリジナル作品の制作・展開を進めています。ゲームやマンガの人気は、翻訳出版だけでなく、施設、イベント、商品化にもつながり得ます。

日本の設計・技術会社にも、建物や設備を売るだけでなく、現地のデベロッパーと企画段階から組む余地があります。HIKARIの土地開発プロデュースも、この日・サウジ双方の専門性を組み合わせる事業です。

アル・ウラーの砂岩の岩層。朝日が岩の裂け目から差し込む。
アル・ウラーの砂岩の岩層。朝日が岩の裂け目から差し込む。Saudi Press Agency (SPA) / 写真出典 / CC BY-SA 4.0

両国の取引を数字で調べる

日本からの輸出、サウジからの輸入、直接投資、現地の日系企業数は、それぞれ違う動きを示します。自社の商品なら品目別の貿易額を、進出先の比較なら業種別の企業動向を調べると、検討に使いやすくなります。

サウジ側の政府機関・GASTATの公表資料を確認し、日本側の外務省、経済産業省、JETROの資料も照合します。企業数は現地法人だけか支店も含むか、貿易額は財だけかサービスも含むかによって変わるため、対象期間と集計範囲をそろえます。

自社の商品・技術を、具体的な提案にする

まずは日本での実績を、サウジ側が判断できる提案に変えます。対象顧客、導入効果、価格の目安、現地で必要な人員・設備、御社と相手の役割を示します。

英語だけで十分とは限りません。決裁者に伝わるアラビア語の要約や、写真・図を使った説明も用意すると、日本の資料をそのまま送るより話を進めやすくなります。

HIKARIでは、日本語で御社の事業を理解できるサウジ人のHyder、国際弁護士の森、マーケティング・イベントを担当する徳沢が、提案先の調査から交渉、現地向けの訴求まで支援します。

Sources & Notes

本記事は、記載した参照日時点で公開されていた情報にもとづく一般的な情報提供です。 制度、統計、事業環境は変わります。法務・税務・投資に関する判断にあたっては、 必ず有資格の専門家にご確認ください。

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日本企業二国間関係政策

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